金融機関の資金運用先が無いのです。国債買い入れオペ初の札割れ。
日銀は随時規制緩和の為に国債を買い入れてます。
今回は償還期間が1年以上2年以下の長期国債を6000億円買い入れる予定が僅か4805億円しか買い入れれなかったようです。
日銀が16日実施した長期国債の買い入れオペレーション(公開市場操作)で、応札額が買い入れ予定額に届かない「札割れ」となった。予定額の6000億円に対し、応札額は4805億円にとどまった。金融緩和のために設けた資産買い入れ基金を通じたオペで長期国債の札割れは初めて。
同日の国債市場では、ギリシャの再選挙決定を受けて欧州危機再燃の懸念が強まり、安全資産とされる日本国債に買いが集まった。日銀に国債を持ち込むよりも市場で今後、売却した方が有利と判断する投資家が増えたためとみられる。
日銀は前回の金融政策決定会合で、基金による長期国債買い入れ額の増額や買い入れる国債の種類を拡大することを決めた。日銀は「札割れが常態化するかは今回の入札結果だけでは判断できない。欧州債務危機などの動向に左右される可能性が大きい」と分析している。
金融機関が保有する国債を日銀が買い入れて現金を市場に回す予定が、欧州経済危機等で国債以外に資金運用先が無いと判断した為に目標買い入れ額に及ばなかったようです。
その根源は先般のギリシャ総選挙です。
3月にギリシャ政府は緊縮策と引き換えに1730億ユーロ(17兆6600億円)の融資を受ける救済計画に署名しましたが、この計画を支持する政党が惨敗。ギリシャでは法律上、政党が単独で過半数を獲得できない場合は連立しなきゃいけないんですが、早々に連立協議が決裂して6月に再選挙する事になりました。
選挙結果次第ではユーロ圏から離脱、ポルトガルやスペインに飛び火、という可能性もあるので各金融機関は運用先が無い状態のようです。
安定している国債に運用先が集中しているのでこういう事態になるんでしょうが、つまりは市場に現金が回らない事にもなるんで金は「あるところにはある」けれども出回っていないという象徴じゃないですかね。