2ntブログ
--
----
--
tb* -
com*-

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
2011
0128
Fri
tb* 0
com*0

日本格下げ

日本国債の格付けが格下げされましたね。

アメリカ格付け会社、スタンダード&プアーズによる日本の外貨建て・自国通貨建ての長期国債格付けをAAからAA-に格下げされました。

格下げした理由を「民主党政権には日本の財政赤字の悪い側面に対処する一貫した戦略が欠けているように思われる」としてます。


◆ 日本のソブリン格付けを※「AA-」に格下げ、アウトルックは「安定的」 S&P

格下げは、日本の政府債務比率がさらに悪化するとのS&Pの見方を反映している。日本の債務比率は既に格付け先ソブリンの中で最も高いレンジにあるが、さらに、S&Pが世界的な景気後退以前に予想していた水準を上回る水準まで上昇し、2020年代半ばまで下降に転じないとみている。なかでも、一般政府財政赤字の対国内総生産(GDP)比率は2010年度の概算値である9.1%から、2013年度には8.0%へと若干の低下にとどまると予想している。中期的には、大規模な財政再建策が実施されない限り、2020年より前に基礎的財政収支(プライマリーバランス)の均衡は達成できないと予測している。

長引くデフレも日本の債務問題をさらに深刻化させている。物価の下落は、1992年以降の日本のGDPの推移と一致しており、名目ベースで経済規模が同年以降変わっていないことを意味する。加えて、急速な高齢化が日本の財政・経済見通しを悪化させている。社会保障関連費は国の2011年予算案の31%を占めており、2004年度の社会保障制度改革を上回る規模の改革を実施しなければ、この比率は上昇する見通しである。生産年齢人口の高齢化と減少を踏まえ、S&Pでは日本の中期的な成長率を約1%と予測している。

民主党率いる連立与党が参議院選挙で過半数議席を確保できなかったこともあり、民主党政権には債務問題に対する一貫した戦略が欠けているとS&Pは考えている。また、政府は2011年に社会保障制度と消費税率を含む税制の見直しを行うとしているが、これにより政府の支払い能力が大幅に改善する可能性は低いとS&Pは考えている。国債発行額の承認を含めた、2011年度予算案と関連法案が国会の承認を得られない可能性さえあるとS&Pはみている。したがって、国内には引き続き国債に対する強い需要があり、それに対応して超低金利環境が続いているものの、日本の財政の柔軟性はさらに低下するとS&Pは予想している。

とはいえ、日本のソブリン格付けは、高水準の対外純資産残高と比較的強固な金融システム、多様化された経済により「AA-」の水準で下支えされている。加えて、日本円は世界の主要準備通貨である。

日本の2010年末の対外純資産残高は、概算で経常取引受取額の254%と世界最大である。また、外貨・金の準備高は1兆ドルを超え、中国に次いで世界第2位である。加えて、金融部門と、企業部門と家計部門をあわせた非金融民間部門も対外純債権者である。経常黒字が続いていることから、対外純資産は今後数年さらに増加するとS&Pはみている。

厳しい財政状況と経済成長見通しの弱さを、高水準の対外純資産と円の国際通貨としての役割によってもたらされる柔軟性に照らし合わせて考慮し、アウトルックは「安定的」とした。2000年代前半のように政府が財政再建と成長見通しの改善に向けた施策を実行できれば、格上げを検討する。一方、S&Pが日本の財政見通しを再び引き下げた場合には、格付けへの下方圧力が再度強まるだろう。


経済的難題は依然として存在しつつ、加えて政治的な膠着状態や戦略の無さが今回の格下げの主な理由のようです。対外純資産残高の大きさが救いであるようです。

日本国債が格下げされたんで日本企業の格下げも追随して行われる可能性は少しあるかも。トヨタ、NTT、キャノン、東京電力、デンソー、武田薬品工業がAAなんで官民逆転状態です。外資系証券が日本企業のM&Aを強化してるようなので格下げされると草刈り場になるのかも。というより格下げの裏にはそうした思惑が見え隠れ。



管首相は記者から格下げされた事について「初めて聞いた。そういう話には疎いので、ちょっと(質問は)またあらためてにさせてほしい」と冗談か格付け会社は民間会社の評価なので確信犯なのかと思いましたが、素で知らなかったようで残念。首相がこれだけ音痴なのはちょっとどうなの。

通常国会の答弁でも質問に対する答弁漏れが多いし、TPP(環太平洋経済連携協定)を「IPP」、法人税実効引き下げを「引き上げ」と言い間違えるとか、脱官僚を掲げた割には明らかな勉強不足による使い慣れていない言葉の羅列で答弁してるようです。公明党からも見放されちゃったようだし、前原外相も解散への準備をほのめかす発言してるし前途多難すぎる。


◆ S&Pの主要国格付け

AAA

アメリカ、イギリス、ドイツ、フランス

AA+

ニュージーランド

AA

スペイン

AA-

日本、サウジアラビア、中国、台湾

A+

イタリア

A

アイルランド

A-

ポルトガル

BBB

ロシア

BBB-

ブラジル

BB+

ギリシャ


一方で中国は昨年末にA+からAA-に格上げされ、今回の日本格下げによって同じ格付けに。経済大国と言われてきた日本ですが、中国と入れ替わられる日も可能性として高くなってきましたね。

ただ、逆に日本の高度成長期と同じように札束じゃんじゃん刷って日本国債を買い込んでるって話もあるんでドルも元も信用性が薄いとの評判。格下げされてんのに変動がないのが市場の判断です。


関連記事
comment
URL:
Comment:
Pass:
Secret: 管理者にだけ表示を許可する
 
trackback
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック