福岡県ってどんな県?
福岡県には2つの政令指定都市があるのはご存じの通りです。
商業の街 福岡市、製造業の街 北九州市。
面積 | 人口 | 外国人 | |
福岡市 | 341.32km2 | 145万人 | 20,846人 |
北九州市 | 487.88km2 | 98.1万人 | 10,151人 |
(2010年9月1日現在)
この二つの市は長い間犬猿の仲でした。
◆製造業の街 北九州市
都市機能の拡大時期は圧倒的に北九州市が早く、中心には八幡製鐵所の存在がありました。当時の八幡市、門司市、小倉市、戸畑市、若松市の5市が北九州工業地帯として大きく発展していきます。
当時の八幡市30万の人口の8割が八幡製鐵所で働いていた時代。この八幡製鐵所は当初、官による運営でスタートしたので優秀な人材が集まり、首都圏から転勤に合わせてきた生徒も多く、従って教育レベルも非常に高かったとされてます。交通では鹿児島本線と日豊線、筑豊線等の鉄道の要でした。
しかし、エネルギー革命により石炭が衰退。重化学工業の石炭の使用量が極端に減った為、生産拠点は他に移って行きます。こうした急激な衰退を懸念し、八幡市、門司市、小倉市、戸畑市、若松市の5市は1963年に合併。同年4月1日に政令指定都市となります。
◆商業の街 福岡市
福岡市は北九州市の衰退と入れ替わるように九州経済・行政・交通の中心としての役割を拡大。戦後の全国総合開発計画によって九州全体を管轄する政府出先機関が集中し、地方行政の拠点都市として強化。1972年、九州で2番目に政令指定都市となります。
◆両市の人口構成
全国的に高齢化が進む中、全国19政令指定都市で一番高齢化率が高いのは北九州市で、次いで静岡市、京都市と続きます。
総人口 | 高齢化率 | 全国順位 | 15歳未満 | |
福岡市 | 138万 | 17.2% | 18 | 14.0% |
北九州市 | 98万 | 24.5% | 1 | 13.2% |
(2010年)
一方、15歳未満の人口比率は大きな差はありませんが、生産年齢(15~64歳未満)で大きく異なっています。
一つには学校教育機関が福岡市に多いと言う事があります。
・福岡市 大学39 短期大学20 高等専門学校2 学生数12.8万
・北九州市 大学13 高等専門学校1 学生数2.3万
福岡市の学生数の多さ、或いは人口に占める割合は全国19政令指定都市の中でも上位にあります。
◆物価の安く住みやすい
平成20年の消費者物価指数は全国平均100に対して、
福岡市 100.1
北九州市 99.2
となっております。ちなみに東京周辺では110、大阪市で107、名古屋市で104.6です。
中でも住みやすいとされるのが家賃の安さですね。1坪当たりの1ヵ月家賃平均を比較すると、
札幌市 | 3888円 | 仙台市 | 4394円 | さいたま市 | 5842円 |
千葉市 | 4700円 | 東京都 | 9059円 | 横浜市 | 6590円 |
川崎市 | 7467円 | 新潟市 | 4350円 | 静岡市 | 4518円 |
浜松市 | 4343円 | 名古屋市 | 4784円 | 京都市 | 5134円 |
大阪市 | 5765円 | 神戸市 | 5264円 | 広島市 | 4344円 |
北九州市 | 3902円 | 福岡市 | 4455円 |
東京の1坪9059円とかナニソレですね。
◆港湾の再整備
福岡と言えば空港が近くにあり便利、という最大利点があります。博多駅から地下鉄で5分という他にない立地です。一方で航空規制で高層ビルが建てれないという欠点もありますが・・・。
海の玄関口としての福岡市はその機能を果たしていないと言えます。博多港は1899年に供用開始、同年に国際貿易港の指定を受けました。以降、1939年に第1種重要港湾、1951年に重要港湾、1990年に特定重要港湾として指定されました。
博多港は「箱崎埠頭」、「博多埠頭」、「中央埠頭」、「須崎埠頭」、「東浜埠頭」、「アイランドシティ」等の港湾エリアで形成されてます。
須崎埠頭では麦・とうもろこし等の穀物関係を一手に担っています。箱崎埠頭では自動車・輸送機械、東浜埠頭では砂・セメント・鋼材等の建設資材、中央埠頭は主に食料品、博多埠頭では衣料品・飼料・肥料と取り扱う積荷が細分化されてる事が再整備の難しさに拍車をかけてます。アイランドシティが最も新しいのですが、大型コンテナ船が停泊する埠頭として機能してます。
アジア諸国からのクルーズ船、高速船は中央埠頭ですが、周辺には倉庫群やコンテナ置き場となっており、観光客を受け入れる役割にはなってません。
2010年の中国からのクルーズ船は博多港69回、長崎港41回、鹿児島港42回の計158回で経済効果は29億円弱と試算されてます。前年の10億5700万ですので大幅増大で2011年も増加傾向にあります。
更なる経済効果を促進させるためにも港湾整備は必要不可欠です。